2024年1月コラム =小寒=南天の候

コラム

=小寒=南天の候
 小寒は、正月の七草をいただく頃です。さあ一年で一番寒い季節のはじまりです。「寒の入り」から大寒を経て節分の「寒の明け」までのひと月は厳しい寒さが続きます。正月七日は人日(じんじつ)と言い、ご節句の行事でのひとつで七日正月とも言われます。春の七草とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。これら七草を、新年一月六日の夜にまな板の上で包丁の背などでトントンたたいて細かく柔らかくしておき、翌日の朝におかゆに入れて七草粥(ななくさがゆ)としていただきますが、その野菜を切るときに歌う七草の歌というはやし歌があります。「七草なずな、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先に、七草なずな」と七回唱える風習があります。「唐土の鳥」とは中国で災いをもたらすといわれる「鬼車鳥(きしゃちょう)」で、この世ではない異界から来た妖鳥であるといわれていますから怖いですね。また、この鳥は人の爪を拾って食べるので夜に爪を切るなと言われたことを皆様思い出されることでしょう。作物の害敵鳥を追い払って豊作を祈る気持ちに通じます。春の訪れを待ちながらの冬籠りは、新しく生まれ変わる為の力を蓄えているのです。  
会長 伊藤聖優雨