=鯰(ナマズ)=桐の花の候
最近、地震の脅威を強く感じています。古来「地震・雷・火事・親爺」は日本人にとって最も怖く恐しいものとして言われて来ましたが、予兆もなくある日突然襲ってくる地震に対しては格別の怖さがあります。昔、人々は地震の原因を巨大な鯰(ナマズ)の動きと信じ、地震対策としてその鯰を鎮める事を第一に考えました。それは今日でも残る「鯰絵」の中でも見られます。暴れる巨大な鯰を鎮めようと大勢の男たちが鯰に挑みかかっています。鯰が暴れないよう要石(かなめいし)が地中深くにいる鯰を押さえつけていると言われ、茨城県の鹿島神宮は頭を、尻尾は千葉県の香取神宮の役目です。とりわけ鹿島神宮は日本の東端です。気学では陰陽五行で東は「震為雷」で「木気」です。因みに両神宮とも雷神です。その一方で鯰は魚には違いませんが鱗がなく表皮がヌルヌルしているので羽・毛など身をおおうもののない虫、棵蟲(かちゅう)と見做され土気となり、また泥の中に潜んでいることや横に広がった額や四角い口からの連想からも土気とされます。そこで地震の原因とされた土気のナマズは木と土の相剋関係を示す「木剋土」で鹿島、香取の神に負け退治され鎮まっているのです。
会長 伊藤聖優雨
2024年7月コラム=鯰(ナマズ)=桐の花の候
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