=葉月(はづき)=ふうせんかずら
八月は和名で葉月(はづき)、木の葉が紅葉して落ちる月という意味でこの名がつきました(旧暦八月が現在の九月〜十月上旬に当たります)。暦では立秋、処暑です。まだまだ暑さは続きそうな為、夏の思い出というには早過ぎますが、夏と云う強烈な太陽に照らされての出来事の所為でしょうか、とりわけ記憶も鮮やかに刻まれるように思えます。
夏休み、祖母から「土用波が立ったら海に泳ぎに行ってはいけない」と何度も言われていました。今でこそ分かりますが土用波は夏から秋に季節が入れ替わる立秋の前の約十八日間に発生します。天気もよく風もないのに太平洋に打ち寄せる大波です。それは日本からはるか遠い南の赤道付近やインド洋などで発生した台風が起こす「うねり」だそうですがそのうねりは、ゆったりと穏やかに見えますが油断していると水深の浅いところでは海底の影響を受けて大きな波に変わることを漁師は経験によりよく知っていて警戒していました。また、「みお」(水脈)という言葉を大人が話しているのを聞き、水の力のすごさ、怖さを知りました。みおとは離岸流のことでしょうか、足首くらいの深さの所でも波の力がすさまじく強く、足を掬われて流されてしまうというのです。そういう時は波に逆らわず、沖まで流され、引く力が治まったら泳いで帰ってくることだというのです。私にはとてもそんなことは出来ないと怖がりながら大人の話を聞いていました。
会長 伊藤聖優雨
